第二新卒は無意味といわれる本当の理由

      2017/06/28

 

第二新卒は無意味だという意見があります。「第二新卒は転職業界のでっちあげ」という意見もあります。確かに第二新卒という言葉を作ったのは転職業界でした。でも、今や企業側も積極的に第二新卒者を雇用する時代になりました。

いくら転職業界が売り込んでも必要ないものなら企業は採用しません。でも第二新卒者を採用する企業は増えているのです。そこにはニーズがあるという証拠です。ではなぜ「第二新卒者は無意味だ」という意見があるのでしょうか?

そこには企業の都合がありました。日本社会の古い体質、古い考え方も影響しています。第二新卒に対する批判から見えてくるのは、日本社会の問題・日本の働き方の問題だったのです。

 

第二新卒が無意味と言われる本当の理由

古い企業にとっては都合の悪い存在

日本は長く終身雇用・年功序列型の制度を続けてきました。もちろんそれには会社と労働者両方にとって都合のいい部分があったのです。社員の教育・訓練には時間とお金がかかるものです。会社としては必要な人材にはずっといてほしです。そこで社員を引き止める方法として作られたのが終身雇用・年功序列なのです。

その制度では給料や退職金が長く会社にいるほど増えました。社員も「ずっと会社にいたほうが得だ」と思って簡単には辞めません。会社としてもせっかく育てた人材が辞めてしまったら教育にかけた時間とコストが無駄になります。だから会社と社員の両方に都合が良かったのです。

でも現在は違います。今や勤続年数が長いからといって給料が増えるわけではないのです。企業は経営が悪くなったら簡単に労働者を減らします。労働者側にとっては終身雇用と年功序列の美味しい部分がなくなってしまったのです。

あるのは(いて欲しい人には)辞めてもらったら困る。という会社の都合だけになりました。将来を期待して育てた人材が途中でいなくなってしまうと会社はどう考えるでしょうか?もちろん、辞めた社員に対する評価は厳しくなります。だから「最近の若者は根性が足りない」「我慢ができない」という年寄りの愚痴のような評価が出てくるのです。

そんな古い体質の会社にとって入社して数年で辞めてしまう社員は会社の都合を無視した存在です。裏切られたと感じます。だから第二新卒は意味がないと言われるのですね。

古い雇用制度に慣れた日本社会の弊害

終身雇用の制度が崩れ、年功序列のしくみが崩れたと言われて10年以上経ちました。しかし、終身雇用の考えにとらわれる人は現在も根強く残っています。

企業だけではありません。働く者からも避難されることがあります。「会社に馴染めないやつは問題のあるやつだった」と思うことで、苦しいのに残り続けている自分たちを正当化するのです。会社に忠誠を誓うことで自分の将来を保証してももらった気になっている場合もあります。そのような人から見たら、途中で辞める人は落第者に思えるかもしれません。

もちろん「辞める」「辞めない」は個人の自由ですよね。転職せず会社で働き続ける人には理由があります。そのような人を批判することはやめましょう。辞めていく人に対する偏見は会社の都合に染まってしまった人たちの意見です。他人の否定的な意見は「気の毒な人たち」と思って聞き流すことにしましょう。

また。会社に入って安泰だと思っていた家族にとっては、せっかく入った会社を辞めることは理解の出来ない存在です。しかし家族だからといって、あなたの会社での働きを理解できてるわけではありません。「会社にいれば安心」という古いイメージだけで考えているのです。

辞める側にどのような理由があっても、人からみると関係ありません。古い体質に馴染んだ人々は自分以外の人も従うのが当たり前だと思っています。だから「第二新卒はけしからん」「無意味だ」という評価につながるのですね。

失敗を認めない日本型社会の問題

日本は他人の間違いには厳しい社会です。チャレンジに対する評価は恐ろしく低いです。その一方で失敗すると容赦なく攻撃します。そうなると失敗は許されませんよね。でも人間は神様ではありません。誰でも失敗はするのです。就職先を選ぶときにも一度で自分にピッタリの企業を選べるとはかぎりません。でも、今までは失敗したと思っても我慢して続けなないといけなかったのです。

日本は途中でやり直しが効かない社会でした。失敗すると攻撃されるなら、あなたはどうしますか?失敗しない方法を選びますよね。だから日本人は無難なことしか出来ません。失敗するくらいなら、今のままでいい。成功する保証がないなら、なにもしないほうがいい。大きな成功よりも現状維持。だれかが成功したら真似すればいい。

その結果、日本の経済界は活力を失いました。日本の不景気が長く続くのも、失敗を許さない社会にも原因があります(もちろんそれだけではありません)。

失敗の許されない社会では働き方も窮屈になります。仕事を途中で変えるのは簡単には認めてもらえないのです。転職者は失敗したやつ、会社に馴染めない失格者、という評価を押し付けます。

でもそれが問題なのでしょうか?

やり直しができるのなら、素直に失敗を認めてやり直したほうがいいと思いませんか?今はやり直しができる社会になりつつあるのです。その途中では様々な問題が出てくるのは仕方のないことです。

「選択を間違った」と認めるのは勇気がいります。勇気がいることは格好いいことです。人間は経験することで成長します。間違ったことを続けるより、成り直したほうが後の人生にとってプラスになるはずですよね。もちろん将来のことは分かりません。やり直したからと言って成功する保証はありません。でも「今のままではいけない」と思いつつ続けるのは苦痛になりませんか?あとで後悔しませんか?もしかするとイヤイヤ続けていたら精神的にも限界が来るかもしれません。そのときウツになっても会社は責任をとってくれないのですから。

 

人生の評価を決めるのはあなた自身

転職が当たり前のアメリカやヨーロッパでは第二新卒という言葉はありません。学校を卒業して一斉に就職する新卒採用すらないからです。だから欧米では年度がわりの最初の日に採用者全員を集めて入社式をするなんてことはしません。いつから働くかは個人と企業の都合で決まるのですね。だから欧米では転職者にたいする偏見はありません。転職は普通のことだからなんです。

でも日本ではまだまだ転職に対する偏見は残っています。その代表例が「第二新卒は無意味」という意見なのです。

確かに我慢が出来なくて辞めた人もいると思います。数年で辞めてしまう第二新卒者すべてを手放しで褒めることは出来ないかもしれません。しかし全ての第二新卒者が、我慢のできない人ではありませんよね。自分なりの考えや目的を持って辞めた人もいますから。

あなた自身が「どう考えても今の会社ではやっていけない」と思ったのなら転職するのもひとつの方法です。あなたの人生はあなたのものです。批判した人が責任を取ってくれるわけではないのですから。

もちろん、安易に辞めるのはよくありません。嫌なこと、苦しいことでもまずは頑張ってみましょう。苦手なことにも挑戦してみましょう。意外とあなたに合ってるかもしれませんよ。でも、どうしてもダメだ。と思ったら無理して続ける必要はないのです。

歳をとって後悔しても、やり直すはかなり難しいです。20代ならまだやり直しは出来ます

 

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