40代の転職に資格が無意味な理由とは
2017/06/28
資格を取れば自分の市場価値が上がる。転職が有利になる。そう信じてる人がいます。学生から40代まで幅広い世代に資格神話は存在します。しかし資格を持っているだけでは意味がないことはあまり知られていません。
20代の転職では、あり方次第では資格が有利になることもあります。しかし40代の転職では資格があるというだけでは採用の理由になりません。
どうして40代の転職には資格をとることが有効ではないのでしょうか。それは企業が求める40代の転職者に求める者を知ると理解できます。
どうして40代の転職に資格が意味がないのか
資格だけでは意味がない理由。それは明確です。企業が知りたいのはあなたが企業にどんな貢献をしてくれるかなのです。企業に入って何ができるか。その判断材料は何でしょうか？
実務経験があれば「このくらいの仕事ができそうだ」と予想できます。
資格をとれば多少の専門知識はつくかもしれません。でも知識だけでは仕事はできません。実際にその業務を行ってどんな実績を残したか。どんな経験を積んだかが必要なのです。
どんなに資格があってもその資格を使って働いた経験がなければ意味がありません。大事なのは会社で働いていた間に何をしたか。どんな技能を身につけたか。どんな成果を出したかです。
会社があなたを採用したらどんなメリットがあるか。それが具体的に答えられなければ採用はありません。
資格が命取りになることもある
「でもせっかく資格を持ってるのだから履歴書に書かないよりは書いた方がいいだろう」
と思うかもしれません。それも場合によります。資格を持ってることを書いたために落とされることもあるのです。どうしてでしょうか？
資格はあなたの理解度・能力を表現するラベルの役目を果たすことがあります。
例えば「〇〇2級」と書けばあなたが〇〇2級の知識・能力があることはわかります。その一方で1級には及ばないこともわかります。「受けてないから」は通用しません。
「この程度の能力しかないのか」と思われる可能性が高いです。下手な資格はあなたの能力を低く見積もる材料になってしまうのです。
40代の場合は即戦力が大事です。これからの成長は期待されていません。20代を育てたほうが安上がりです。歳をとってるだけに能力を低く見積もられることは致命傷です。
難関資格すら足かせになる
弁理士のように簡単には獲得できない資格もあります。あればアピールポイントにはなるかもしれません。でも実務経験がなければ説得力はありません。資格だけで実務経験がなければ企業は「どうして実務経験がないのか」と不思議に思います。
「プライドだけで仕事のできない人なのか？」「勉強はできるけど実務は苦手なのか？」と思われると高難易度の資格でも不利に働くことがあります。高難易度の資格を持ってるのに実務経験がない場合は面接時にその理由も説明する必要があります。
若い世代なら高難易度の資格を持っていれば有利に働くこともあります。でも即戦力が求められる40代では資格だけでは不十分なのです。
資格が必要とされる場合
40代の転職に資格が意味がないとはいっても例外もあります。
世の中にはその資格がないと仕事に就くことすらできない資格というのもあります。特許を出す仕事をしたいのに弁理士の資格がない。監査法人で働くのに会計士の資格がない。というのは致命的です。
ピンポイントでその仕事に就きたい場合は必要な資格を持ってなければいけません。その場合でも実務経験があった方がいいのは間違いありません。40代の転職には実務経験がものをいうのです。
資格はキャリアの履歴書？
転職に成功している人の中には多くの資格を持っている人もいます。だから資格を多く持っていれば有利なんだ。と勘違いする人がいます。しかし成功している人は仕事上必要だから持っているだけのこと。キャリアアップの過程で獲得したものであることが多いです。そのような人は持っている資格にもある一定の方向性があります。資格を持ってるのは結果論にすぎないのです。
逆に無計画に資格を取っていると「この人は何をしていたんだ？」「計画性のない人？」と思われかねません。無計画な資格取得は採用には不利に働きます。
結論：４０代の転職では資格だけでは意味がない
仕事に必要な資格というのはあります。勉強することで専門知識が身につくというメリットもあります。しかし20代の若い世代ならともかく。40代の転職には資格があるだけでは意味がありません。
４０代を超えての就職に必要なのは実務能力です。資格はあとからついてくるものです。専門性に加えて、マネジメント能力、組織への馴染みやすさも求められます。
資格を気にするよりも、転職して何をしたいのか。そのためには何が必要なのかを考えることが大切になります。
